ケガをしない選手が一流である

高校時代は野球をやっており、

「ケガをしない選手が一流である」

と、その当時の監督がよく言っていました。

どんなに守備が上手くてどんなに打てても、ケガをする選手は、試合をマネジメントする側としては「計算しにくい選手」になるそう。

ケガをせずに毎日試合に出れる、練習もする選手こそが一流とのことです。

当時はなんとなく「そういうものなんだなぁ」くらいで考えてましたが、仕事をしていく中でその意味、重要さがわかってきました。

仮に、ケガで別メニュー調整が基本の選手を、チームではズバ抜けた能力だからと監督がレギュラーで使っていたら、

「練習もまともにやっていない。またすぐケガして戦列を離れるような選手を優先して使うってどういうことよ?」

と、他の選手の士気を下げることになり、チーム戦力の低下を招いてしまいますね。

カスタマーセンターはオペレーターと、そのオペレーターの応対を支援・指示するスーパーバイザー、全体を統括するマネジメントメンバーや品質管理・教育を担うチームなど、様々な人で構成されている組織です。

野球のように勝利を求められることはありませんが、何かお困りごとを抱えているお客さまへ、できるだけ早く応対して解消し、満足していただくことが求められています。

そのために1日あたりの必要人数を試算して、シフトを予め作成して臨んでいますが、人間なので体調不良により欠勤となることがあります。

もともと1名くらいの欠勤でも大丈夫なように体制を作っておけばよいことですが、活況で問い合わせが増加傾向だと、この1名の欠勤がその日の応対可能件数に大きく響きます。

電話がつながらない、メールの返事が来ないという不満に変わり、その不満へ対応するために人が動き、その人が動いたことで1名分の応対力がなくなるので、さらに電話がつながらないことが増えるという悪循環…

セールスの頃は営業マン1人が休んでも、その人が担当するお客さまから問い合わせがあれば対応する程度でしたが、カスタマーセンターではこの1人の休みがとても重い。サービス低下に直結することを学びました。

働く人たちがそれぞれ体調を整えて、当日万全の体制で臨むことの大切さを考える過程で、冒頭の「ケガをしない選手が一流である」という言葉を思い出した次第です。

自分の体調の変化や、心身のクセ。

これは自分自身が一番知っていて、最初に気付けるもの。

なので、自分自身に意識を向けて、体調を崩すサインに気付いて早めに抑えるとか。

体調を崩すときのパターンを見つけて、そのパターンに陥らないようなルーティンを編み出すとか。

こういうことに取り組んで、体調を崩さないようにする。

言い換えれば、自分が平常な状態を維持し続ける、ということ。

「ケガをしない選手が一流」という言葉は、今の仕事に置き換えると「平常な状態で仕事に臨み続けられる人が一流」と言えるなと思いました。

平常であり続ければ「常になんでもできる」状態になれる。そうすると、仕事が休みによって溜まることもなくなるので、プライベートの時間まで心労や疲労を持ち込まず、充実感が増してくるはず。

働いている人たちそれぞれが平常な状態作りに励んでいけば、今の仕事の充実感となり、これからどの職場にいっても自分を維持できるスキルになると思っています。

まさに、ワンランク上の働き方。

一方、この考えを伝えたら

「分かっちゃいるけど、できないんだってば」

と思われる方も多くいるので、そこは無理強いせずに気持ちを汲み取っていきたいですね。

先天的・後天的にどうしようもない持病を持っている方もいるだろうし、今まで何度も取り組んでいるけど自分に勝てずにフェードアウトしまう方もいるでしょう。

各々が考える「平常な状態」を認識し、それぞれのペースで取り組んでいければ十分かなと思いました。

ちなみに高校野球部時代の私はどうだったかというと、毎年肩に痛みが出てひと月くらい別メニュー調整にすることがあったので、四流くらいで留まっていれば御の字です。笑

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この記事を書いた人

組織の再生士 / アーティストを育てるアーティスト

ロボットベンチャー企業で組織作りを担いつつ、地域おこし・地域コミュニティの活性化を行っています。