1月22日(土)に、理事として参画しているNPO法人ふじの里山くらぶ主催の『さとやまサミット』を開催しました。
くらぶの会員さんや、正会員と呼ばれる理事と社員さんで集まり、今後のくらぶの方向性やミッション、あるべき姿、事業アイデアなどをディスカッションするというのが主旨でした。
コロナ禍以前は、地域の団体や企業などを招待して対面の懇親会を実施していたようで、この懇親会での会話から直近の情報やニーズ、アイデアを拾っていたとのこと。
この懇親会の仕組みを会員のみに絞り込み、懇親・交流を図るとともに、より深い意見・情報交換ができるようにディスカッション機能を設けたというのが今回。なので、『サミット』という表現を用いた次第です。
地域課題いろいろ
私は今回、サミット全体の企画と当日のファシリテートを担当。
地元の方を中心にご参加いただき、10名くらいで1時間半ほどディスカッションを行っていくつかの課題・テーマに分類したので、備忘のためメモを書き留めておこうと思います。
地域経済が重要課題
中山間地域、里山のまちとして、里山の資源と地域内外のニーズをいかにマッチングさせるかがポイント。
- 農業の活性化、荒廃農地の活用を半農半Xで。農業一本で生計立てるのではなく農業をしたい人を若手からシニアまで募ってマッチングする感じ
- 林業の活性化は、水源を守る活動や里山の整備に置き換えると広がりやすい?
- ゆずや竹など商品化されているものを、今のニーズにあった形へリニューアル→商品開発機能が必要そう
- 行政、商工業、住民が連携した動きになることで、地域を強くできる。その橋渡し(ハブ役)が里山くらぶに求められている(期待されている)
まちづくり
芸術のまち構想30年間で住民全体の4%くらいが芸術家。シュタイナー学園の誘致によりファミリー層の移住が進んでおり、人口は8千人で横ばいの状況。
地元の人たちの受容力が高く、移住者を中心に『やりたいことをやれる』風土があるのがこの地域の特徴であることを再認識。
- クリエイティブな人材が能力を発揮できる環境作り、好きなことを無理なくやる、失敗ができるまちになると、若い力が目を出してきそう
- 若い人たちが働ける、楽しめる場所ができれば、一度都心に出たとしてもどこかで戻ってくるようになるのでは
- 行政に頼らず自走できる小さな組織が多数あるところを活かし、何かが起きても素早く判断と行動のできる小回りの効く組織作りをしたい
- 地元の人と移住者の交流を促進すると、そこに渦ができて何か新しいものが生まれる予感がする
- 里山くらぶの理事・社員構成も移住者やミドル世代の割合が増え、住民交流のイメージモデルになると良さそう
- 里山への意識の高まりを掴むには、藤野オンリーではなく相模湖や上野原など周辺地域と連携した取り組みが効果でそう
情報・技術
今ある活動の情報発信を促進したいニーズがやっぱりあり、せっかく出来た『森ラボ』の活用ヒントが得られたと思います。
- 小さな活動グループのネットワークを作って、情報を地域外へ発信すると集客の相乗効果が出そう
- 森ラボを情報発信拠点のようにしてみるとか、森ラボからテック企業やベンチャー企業にアプローチして、中山間地域の課題活用の実証実験をいろいろとやってもらえると、人とお金が動いて経済が活発になりそう
- 雨量測定や土砂災害予知にITを導入してみたい、そのために行政巻き込みか
- 結構映画やドラマのロケーションとして使われているので、このようなロケーションをPRしていくと集客につながるかも
歴史・文化
里山文化への興味関心や、それを伝播させていくこと。吉野宿ふじやの運営に関わっている立ち位置をもっと上手く利用していけるなと感じたところです。
- 古文書を読む会や、歴史探究をしている住民がいるので、彼らの知識や知恵を活かす場作り、知りたい人と伝えたい人のニーズマッチする
- 里山に伝わる技術や歴史を学んだり体験したりするイベントも面白そう
- シニア世代の活躍の場になるのでは?昔のことは昔の人しか知らない
まとめ
どの課題やテーマにしても、住民主導で進めていける形が作れたらとてもエキサイティング。
市区町村合併により町役場の機能が弱まってしまった今、住民と行政のハブとなって課題解決や事業企画に動ける組織というか、機能の必要性を再認識しました。これを、『地域の資源を活かし商業の発展を目指す』ミッションを持つ里山くらぶが担うのは、自然な流れのように感じています。
どのような切り口でこれらの課題やアイデアを1年間の行動計画に落とし込むかはこれから検討ですが、大きくコトが動いていきそうな予感と期待でワクワクしてきます。