無理せず自然な調和を目指す

昨年始めた森の再生プロジェクト、風の森学び舎とタイトルをつけて、森に関わる専門家の人たちから学びを得る場作りをコツコツ進めてきました。

今のところほとんどが環境整備ですが、この整備に絡めて、子ども・ご家族向けや、プレーパークとの連携、地区全体を対象に地域おこしを兼ねたものなどアレンジ案が色々と出てきました。

スタート当初から「継続していくこと」が重要と考え、毎月欠かさず実施してきた「実践の蓄積」が地域の中で認知されてきたと感じています。

2021年初めから今日までで約2年半。

手入れしてきた場所のBefore 、Afterを示せるようになり、この活動の目的と実践内容、それが起こす環境変化を多くの人に具体的に伝えられる状況になってきました。

ひとまずここまで続けて来れたのは、協力・支援していただける人たちのおかげ。

そして、自分自身がバーンアウトしないよう、無理なく自然にできる範囲で行なってきたことだと思います。

今、大地の再生の手法を取り入れた環境整備を進めていますが、大地の再生の中で言われている

「強い力を使うほど、反動・反発も強い」

まさにこの通り。

この言葉に出会って、何をするにも「相手(対象とするもの)にとって受け取れる(適応できる)ボリュームの力加減」を意識するようになり、これがうまく機能している気がしています。

自分の中で「これがやりたい!」「絶対にこれが良い!」といった気持ちが強いほど、早く行動に移したがり、早く結果を得たくなりがち。

そうすると、自分だけが突っ走り始めて周囲がついて来れなくなる。

そして、ついて来れない人たちへ「なんで?」とフラストレーションを溜めていくので、チームの関係性も悪化し、いずれ分解されてしまう運命に。

ヒトそれぞれに自分のペースが存在し、基本的に誰かに指示されて動くことを嫌う生き物なので、強引で一方的なリードが上手くいくはずはなく。

チームメンバー、それぞれの理解度や意欲、キャラクターを考えて、それぞれが無理なく自然にできる範囲でコトを動かしていくのが、まちづくりにおいては特に大事だなと思います。

そんなことを意識しながら進めてきた新規案件、佐野川(神奈川県相模原市緑区)上岩地区の里山環境整備。

7月15日(土)に無事スタートすることができました。

初回は大地の再生講座にして、現地の見立てと実践をじっくり行い、主要メンバーに目的や考え方、手法のロジックを理解していただくことを重要視。

>>当日の講座レポートはこちらをご覧ください(気候変動の藤野学WEBサイトへ遷移します)

地域の人たちにとっては、今まで実践してきたことと時に真逆の視点を投げかけられるので、「今までのことを否定された」と思いがちです。

それまで彼らが正しい、真実として実践してきたことなので、それを否定してはいけない。

彼らの事実、真実を受け取り、そこに新しい考え方を知ってもらうくらいが今はちょうど良いかと。

その場(環境)にあったやり方が存在するはずで、それが一体何なのかを一緒に実験していくようなイメージでいます。

やはり、これからも、「無理なく自然に」が大事。

そして、「みんなで楽しくやる」こと。

佐野川の環境整備は始まったばかり。

毎月コツコツ続けながら、お互いの理解、環境や風土への理解を深め、1年か2年経ったときに「まさかこんなに変わるとは!」と言われるくらいの変化を起こしていけたらいいなと思っています。

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この記事を届けた人

組織の再生士 / アーティストを育てるアーティスト

ロボットベンチャー企業で組織作りを担いつつ、地域おこし・地域コミュニティの活性化を行っています。