間(ま)を制するものは会話を制する

営業における商談、カスタマーサービスにおける電話、どちらも2人以上の人間が言葉を交換しあって会話をしています。

Aさんが話した→Bさんが受け取って、話した→Aさんが受け取って、また話した→Bさんが受け取って、また話した

言葉の交換はこんな感じのやり取りです(ざっくりですが)。

こうやって交換をするたびに「間(ま)」が発生していて、それは会話のテンポや内容によってすごく短かったり、逆に長かったり、常に変動している。

この「間(ま)」の存在は誰もが認識していながら、ちゃんと使いこなせている人とうまく使えていない人がいるように感じています。

カスタマーサービスは電話でのやり取りなので、営業のように、対面で相手の表情やしぐさなど視覚のインプットが得られません。

対面であれば、

「相手が今どんな心境か?状態か?」

「今、話そうとしているのか?」

「それとも、聞く気がない?聞いていない?」

を目で見て感じ取れるので、こちらとしても

「今、何を話そうか」

とか

「ちょっと待ってみようか」

といった会話の押し引きがやりやすく、少しコミュニケーションを間違ってしまっても、こちらも表情やしぐさを交えて表現できるので軌道修正もしやすい。

それこそ「間(ま)」がズレていたり噛み合っていなくても、言葉以外の部分を使ってなんとかやりくりできたりする。

一方電話となると、受話器から聞こえてくる「音」から相手の状況を全て想像しないといけないし、コミュニケーションを誤った場合の軌道修正も全て「声」でやらなければならず、対面と比較してすごく難しさを感じます。

なので、私は20代から営業をしていましたが、電話が本当に嫌いで嫌いで…

いつも緊張して、手汗で受話器が湿っていました。笑

30代中頃になって、ようやく余裕を持って電話ができるようになった次第です。

カスタマーセンターで日頃お客様と向き合っているオペレーターの人たちは、年齢・性別も色々なので性格も色々。

電話の経験値も色々。

また、人とのコミュニケーション経験量も色々。

様々なタイミングでかかってくるお電話の問い合わせを、毎日丁寧に対応されているのを見て、

「電話嫌いだった自分なら何日持っただろうか?みんなホント凄いなぁ」

と思います。

そんな電話対応を見ながら、そして自分もやりながら、

音の世界だから「間(ま)」の使い方が肝だな”

と、考えるようになりました。

電話対応中にお客様の感情が高まってくるときは、質問に的確に答えていなかったり、受け方・言い方が強かったりすることが要因としてありますが、もう一つ、「間(ま)」が使えていないこともあるなぁと。

「間(ま)」の使い方もミスるから、更に不満が増大しているんだろうなぁと。

相手が早めのテンポで話しているときは、卓球のような感じで軽やかに。

ゆっくりな話し方の人であれば、キャッチボールのような感じでゆったりと。

少し考える時間が必要なときは、立ち合いで相手が土俵に手を付けるところをじっと待ち続ける横綱のようにどっしりと。

相手のペースやトーン、話の内容に応じて「間(ま)」の時間を変える

この「間(ま)」を使えるようになると、感情の高まってしまったお客様に対して、心情を受け取り、ニーズを読み取りながらお話が進められるので、対応を終えたときに安心感と信頼感がその場に生めるようになると思っています。

こと、感情の高まったお客様対応では「空白の時間」が何度も押し寄せるので、「間(ま)」を使えると、この空白のプレッシャーに耐え切れるようになる

その空間に存在するわずかな音に意識を向け、受話器の向こうで何が起きているのかを想像できるようになる。

そうすると、その場面によって必要な言葉を必要なタイミングで紡ぎ出せるようになり、顧客対応力がどんどん高まっていきます。

日常生活においては、コミュニケーションに幅ができる感じ。

これまさに、

「間(ま)」を制するのものは会話を制する!

だいぶ力んで言い放ちますが、こんなイメージです。

ただ、この「間(ま)」の使い方。

言うは易し行うは難しなので、毎日試して相手の反応をちゃんと見て、都度調整していくしかない。

継続は力なりなので、やり続けるしかない。

でも、やり始めたとき、やり始める前よりすでに成長しています。

だから、前向きに取り組んでいけば良いと思います。

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この記事を書いた人

組織の再生士 / アーティストを育てるアーティスト

ロボットベンチャー企業で組織作りを担いつつ、地域おこし・地域コミュニティの活性化を行っています。