チームが成長し、規模が大きくなると、必然的にメンバーの多様性も増していきます。
これは、異なるバックグラウンドや価値観を持つ人々が増え、コミュニケーションの解釈や方法も多様化することを意味します。
少人数の時には自然にできていた意思疎通も、組織が大きくなるにつれて、より具体的で客観的なコミュニケーションにアップデートする必要があり、これを怠ると、ミスコミュニケーションが起こりやすくなり、上司と部下、先輩と後輩といった信頼関係も悪化してしまうことがあります。
具体的で共感のあるコミュニケーションがカギ
例えば、誰かから相談を受けた場合、まずはその相談内容をしっかりと受け止め、共感を示すことが重要です。
その後、提案をしてくれたことに対して感謝の言葉をかけることが、コミュニケーションの基本となります。
そのうえで、提案の良い点と、改善や再考が必要な点を具体的に示し、客観的な理由を添えて説明する。
また、説明が終わった後は、相手が本当に納得しているか、不明点や不満が残っていないかを確認するプロセスも欠かせませんね。
この相互確認のステップを踏むことで、メンバーとの信頼関係をより強固にしていくことができます。
一方で、よくある悪い例として、
「その提案は前に試して失敗したから却下」
「いいからこれをやってほしい」
といった、指示だけを押し付けるコミュニケーションがあります。
理由や目的のない指示は、相手が納得せず、結果的に意欲を失う原因となります。
リーダーの説明責任と合意形成
チーム全体に新しい方針や施策を共有する際、マネージャーやリーダーには説明責任が生じます。
このとき、単に内容を伝えるだけではなく、客観的で具体的な説明(背景、経緯、目的など)を心がけることが重要です。
そして説明の後には、メンバーからのフィードバックを受け、不安や疑問、不満をしっかり解消し、全員が合意した状態で進めていくことが求められます。
もちろん、このプロセスは時間がかかりますし、手間もかかります。
しかし、これを丁寧に積み重ねていくことで、メンバーがリーダーの意図を理解し、自主的に動ける組織へと変わっていきます。
逆に、このプロセスを省略すると、人間関係にほころびが生じ、感情的なトラブルや複雑な問題へと発展してしまう可能性があります。
最終的には、大きな負担となるため、短期的な効率よりも、長期的な信頼と合意形成を優先することが大切です。
まとめ
組織の規模が拡大する中で、リーダーとして求められるのは、具体的かつ客観的なコミュニケーションの能力です。
メンバー一人ひとりの意見を尊重し、共感し、説明責任を果たすことで、強固な信頼関係を築き、チーム全体が自律的に機能する組織を目指すことができます。
ぜひ、やってみてください。