ビジネスの世界では、リーダーやマネージャーは多くの責任を負います。
チームが大きくなるにつれて、現場の状況を直接把握することが難しくなり、管理職は数字に頼りがちになりますね。
数字は、現状を明確に示すための有効なツールであり、状況を把握しやすくするものですが、管理職が数字の便利さ=魔力に囚われてしまうと、現場と乖離した事業運営へまっしぐらです。
数字に頼りすぎるリスク
組織の計画を立てる際、目標設定は欠かせません。
例えば、売上が求められる組織においては、売上目標や達成すべき指標(KPI)を明確にし、あわせて戦略を立てます。
商談率やクロージング率などプロセスごとの割合を算出し、1日あたり何人のお客様に対応する必要があるか?を割り出す。
これを実現するためには、どういった戦略や戦術を取るべきか?といった感じです。
コストも考える必要があるため、最適化された数値を基に、人員配置やコストの調整が行われていきます。
ただここで、注意点があります。
数字を見て最適化された目標を追求すると、現場の実情を無視した運営が行われる可能性がある、という点です。
数値上での「適正な」人員配置が、実際に現場で無理なく機能するのか?
数字は理論的には正しいかもしれませんが、それが現場で無理を強いることになるかもしれないという視点を持つことが重要です。
現場の声を聞く重要性
管理職やマネージャーは、目標値を設定する際に、現場の意見をしっかりと取り入れること。
理想の数値と現状とのギャップを正確に認識し、まずはどのレベルからスタートするのかを、双方でしっかりと合意して進めることが大切です。
理論上の最適解だけでなく、現場の現実に即した柔軟なアプローチが必要だと思います。
ただ、このとき、現場を重視するあまり目標設定を低くしすぎることも良くありません。
最低限1%の成長を持続させるために、どんなストレッチが適当なのか?
この視点で計画することがポイントです。
これを無視して、理論上の現実的でない目標設定を行うことは、組織全体に悪影響を及ぼします。
だいたい、このような時は、現場の負荷が過度に高くなるので、メンバーの士気が下がり、離職につながるリスクが増大します。
バランスの取れたマネジメントがもたらす成果
マネージャーが数字の達成を優先しすぎるあまり現場の声を無視すると、人の不満や組織の問題が湧き上がり、事業の成長ではなく、これらの問題解決に多くのリソースを割く羽目になります。
組織や人材の成長が停滞してしまいますね。
数字ばかりを追いかけず。
現場視点を大切にしたい、バランスの取れたマネジメントを。
と思っていても、いつの間にか数字の魔力に囚われ、数字に傾倒していくものです。
それほど、数字の引力は強い。
この数字の魔力、引力を認識した上で、上手な向き合い方や付き合い方を考え、現場視点を持ったマネジメントを行ってもらえればと思います。