普段、自分の「聞き方」に意識を向けたことはありますか?
「聞く」と言っても、実は3つの異なる聞き方があります。
それは「聞く=Hear」「聴く=Listen」「訊く=Ask」です。
この違いと重要性を意識して使いこなしている人は、意外に少ないのではないでしょうか。
まず、3つの聞き方の違いを簡単に説明しますと、以下の通りです。
- 聞く(Hear):耳に入る音を感じる状態で、特に意識していない聞き方です。
- 聴く(Listen):対象に意識を向け、心を傾けてしっかりと聞く状態です。傾聴とはこの「聴く」にあたりますね。
- 訊く(Ask):質問を投げかけ、さらに深く相手のことを理解しようとする聞き方です。 特に「訊く」を取り入れることで、相手との会話に深さと広がりが生まれ、相手は自分の意見が真剣に聞かれていると感じるでしょう。
聞き方の重要性
聞くという行為は、ただ音を受け取るだけでなく、相手に注意を向け、相槌を打ち、共感し、質問をして相手を深く理解することまで含まれます。
打ち合わせやディスカッション、ブレインストーミングなど、複数人で話し合う場では、これらの聞き方を適切に使い分け、活発な意見交換が行われるようにしましょう。
具体例:地域の会議での気付き
先日、地域の会議に参加した際、あることに気づきました。
60代や70代の参加者が多く、何か新しい意見が出るたびに「それは無理だ」「こうした方がいい」と否定的なコメントを口にしてしまうことが多かったのです。
こうした態度は、新しいアイデアや改善策を議論する際に足枷となり、議論が停滞してしまいます。
その結果、クリエイティブなアイデアが生まれにくくなり、会議の目的が達成されません。
聴く姿勢の改善
組織に長く在籍していると、自分の経験や情報をもとに意見を述べがちです。
だからこそ、無意識のうちに否定的な態度を取っていないか、チェックすることが重要です。
特にリーダーは、自分の聴き方が組織のイノベーションを促進するか、逆に阻害するかの鍵を握っています。
良い組織作りのために、以下のポイントを意識して、相手の意見に耳を傾けてみましょう。
- 相手の意見を認め、感謝の意を伝える
発言してくれたことに対して「ありがとう」と伝えることで、相手は自分の意見が大切にされたと感じます。 - 相手の意見や感情に共感し、積極的に関心を示す
例えば、「確かにそうだね」「そういう意見もあるよね」といった言葉をかけることで、相手は自分の意見が受け入れられたと感じ、さらにオープンに意見を述べてくれるようになります。 - 無意識に情報マウントや否定的なコメントをしていないか、セルフチェックする
経験的に不可能だと感じても、条件反射的に否定するのではなく、一旦相手の意見を受け入れることが大切です。
まとめ
聴く姿勢を意識することで、より良いコミュニケーションが生まれ、組織内の信頼関係も深まります。
リーダーは、自分の聴き方が組織の未来を左右していることを自覚し、積極的な発言を促す聴き方を実践しましょう。
すぐにできるシンプルな改善で、大きな効果が期待できるはずです。ぜひ試してみてください。