トップが長く居座ることで見えてくる問題とその解決策

最近、地域の会議に参加した際、60〜70代の方々が会議を仕切っている場面を多く見かけました。

彼らは長年そのポジションに居続けていますが、それが組織にとってどんな影響をもたらしているのか、少し考えてみました。

トップが長くいるメリット

一旦、トップの人の年齢については置いておいて…

まず、トップの座に長くいることで得られるメリットについて。

長年、その地域の行政や団体、コミュニティの活動に携わってきたので、豊富な知識と経験、そしてネットワークをお持ち。

もし何か問題が起きても、誰に何をどうすれば良いのかを見立てることができ、自分自身が動いて解決に導くことも可能。

地域で起きた様々な歴史もご存じなので、地域活動において留意が必要な「人のしがらみ」にもアンテナが張れる。

何か新しいことを進めるときに、これらの知識や知恵を総動員することで、強くて早い推進力が生まれます。

トップが長く居座るデメリット

一方、長くそのポジションにい続けることで生じる問題もあります。

まずは、意見の偏りです。

トップが長年同じ状態だと、その人の意見が絶対的なものとして扱われやすくなります。

若い世代が何か意見を言おうとしても、経験や情報の差で押しつぶされてしまうことがよくあります。

こうして、新しいアイデアや別の視点が受け入れられにくくなり、組織全体が硬直してしまいます。

次に、後継者不足です。

長くトップに居座り続けると、次にその役割を引き継ぐべき人材が育ちません。

いざ、自分がそのポジションを離れようと思っても、「後任がいない」と嘆き苦しみ、結局自分自身がやり続けることに…

そして、組織はさらに硬直化していき、いつまでも引退できず。

思い入れがありトップをになってきた組織が、悪循環から抜け出せなくなります。

これからの組織作りで取り組むこと

このような事態に陥った組織は、一朝一夕で改善することは難しくなります。

これをケーススタディとして、これから組織を作るときの留意点をまとめておきたいと思います。

  1. こまめに権限を委譲していく
    トップ(=リーダー)となると、「なんでも自分でやる、決める」意識になりがちですが、タスクが積み重なってきたときに自分自身がボトルネックとなり、組織の動きを止めてしまいます。
    常に「自分のこの仕事は誰が担えるか」を考え、積極的に仕事と権限を委譲し、自分自身を身軽にしていきましょう。
    こうして、メンバーにリーダーシップを委ねていくことで、彼らが成長し、次世代のリーダー候補が自然に生まれてきます。
  2. 意見を尊重する文化を育てる
    メンバー全員がいつでも自由に意見を言える環境作りも大切です。
    若い世代や新しいメンバーの意見こそ尊重されるような文化を育てることで、組織に多様なアイデアやイノベーションが生まれる可能性が高まります。
  3. 計画的な引き継ぎ:上記2点を実践し後任が見つかったら、トップの役割を終える前に、次のリーダーへ明確な引き継ぎを行います。
    いずれは引き継ぐことを想定し、自身が得た情報や作成したドキュメントなどは適宜データ化し、共有ドライブに保存しておくと、引き継ぎはますますスムーズになると思います。

トップを譲れば次のミッションが舞い降りる

トップの役割を次の人に渡すと、「そのあと、自分はどうすればいいのか?」と不安に思うかもしれません。

でも、それは新しい挑戦の始まりでもあります。

これまで培った経験や知識を必要とする誰かからお呼びがかかり、新しい分野やフィールドで活躍する機会にめぐり会うことが自然と出てきたりします。

トップの人にとっては葛藤を伴う難しい判断になりますが、勇気を持ってバトンを渡し、次世代に組織を託しつつ、自分も新たな一歩を踏み出してみてください。

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この記事を届けた人

組織の再生士 / アーティストを育てるアーティスト

ロボットベンチャー企業で組織作りを担いつつ、地域おこし・地域コミュニティの活性化を行っています。